寓話
むかしむかし、ある王国に、たいへんいじわるな××××王子がいました。自分が王子であるのをいいことに、逆らえない家臣たちを馬に見立てて、庭を競馬場にして走らせたり、庭に埋めた王女さまの指輪を、ブタのように穴を掘らせて探させたりしました。中でもひ…
けものは森に棲んでいました。人よりも小さく、先の丸くなった弱い爪と、木の根でも噛めば折れてしまいそうな牙を持った、ひよわなけものは、黒い毛皮だけが自慢でした。 「わしの黒い毛皮は、わしだけのものじゃ、山猫のまだらの毛皮をみろ、テンの焦げたよ…
むかしむかし、南の方に、人食いの魔女がいた。 子供をさらっては食う、おそろしい魔女だった。 うわさによれば、自分の美しさをたもつために子供の肝を食っていたらしい。それが、まったく効き目がないどころか、食えば食うほど醜くなった。目は飛び出て、…
三人の少年が、遠くに浮かぶぼんやりとした輝きに目を奪われた。 「ああ、あの輝きが欲しいなあ」 輝きは彼達に名誉や富を与えてくれるように見えたし、何よりその輝きを見ていると彼達は心が安らいだ。 一人の少年は、輝きに至るまでの道筋を調べる為に、村…