泣いてる理由は聞かないでほしい。
承前
好きすぎてまともに感想が書けない、全部主観。
おれと桐島。
『桐島、部活やめたってよ』を観ましたよ! 友人から「麻草は観なきゃダメ、観てないのおかしい」って言われてたけど、それはなんとまあ友人らの僕に対する評価が正しかったことか。いや、泣いた、とめどなく流れ出た、思い出して泣いた、話すと泣く。
ファインダー越しには、ああいう風に見えていたんだよね。
映画館で帰りのエレベーターに並んでいて、背後の男性が友人らしき人に言う「あれ何だっけ、スピルバーグ製作のエイブラムスの、子供がさ…」という言葉が聞こえてきて、思わず振り向いて「スーパーエイト」と言ってしまったのは、その意見に半分賛成したからだ。その男性は映画「SUPER8」のエンディングロールに流れるアレとの類似を指摘していた。だがしかしだよ、君、アレは現実に撮られたものだが、桐島のアレは脳内なので業の深さが違うと思わんかね。
見てくれ、おれのゾンビ!
四年前にぼくは『アリスインデッドリースクール』という舞台の脚本を書かせてもらいました。これはそののち四年も続く(そして今も新作を準備している)プロジェクトの一本目であり、おれがはじめて企画段階からガッツリ関わった舞台でもありました。なんとなれば、この物語の肝である「学校がゾンビに取り囲まれ、女子中学生たちが屋上に取り残される」という本筋がストーンと通ったからであります。
おれにとってゾンビとは「長いお別れ」の事である。いつまでも頭の中をウロウロ歩いてる、ショットガンで撃つ、でもまだ歩いてる。
おまえの泣きどころはどこだ。
いろいろな人の感想を読んでも、隔靴掻痒、むしろ直接会って「あのシーンよかった泣けた」って話をしたい。そういう映画が人生に何本かある、人との出会いとかも。だから、おれが泣いてる理由は聞かないでほしい。