絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

「演劇はねえ、始まったら終わるから、いいねえ」

 いつだったか、ぼくの同僚が言った言葉だ。演劇は始まったら終わる。否応なしに幕はあき、またたくまに閉じる。たくさんの終わらないものを抱えた同僚は、だから、演劇の現場が心地よい、と言った。
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 というわけで、演劇集団である。一年前に宣言したものが、先月とつぜんに始まった。ビッグバンビアホールバンド、略して…なんだろう。好きなように呼んでもらいたい、脚本もやった、雇われて演出もやった、あとは自分で劇団やるだけだ。20代の頃に一度やって、燃え尽きて今に至るぼくとしては、この始まったら終わってしまう出来事に足を突っ込んでしまったことを、いやいや後悔はしていないけれども、何が起こるのかわからず震えている。これは武者震いだよ、と20代の頃のぼくが言う。
 作品としてはメソメソ終わっていく世界の物語が好きだが、せっかく作った演劇集団なのだから、終わるときはドーンと派手に終わりたい。ダイナマイトとか。なので、この一回目は、まあほら一回目だし、見に来たらいいんじゃないかな。
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