吾妻ひでお『夜の帳の中で』を読んで。
吾妻ひでおのどこが好きか、と聞かれると困る。初めて出会ったのは文庫版の『やけくそ天使』で、面白くてエロいひと、という印象しかなかった。そしてそれは今でも続いている。『夜の帳の中で』はあとがき以外は全て素晴らしかった。あとがきがクソだった他は、何の問題もなかった。だけどその言い訳じみたところが別の場面では面白さに転じることもある。
アリストテレスが『詩学』で書いたように、悲劇の根本は「同情と恐怖」である。ゆえに喜劇は同情できず恐怖を感じないところに現れる。同情できたら困るのだ。と、このように、吾妻ひでおについて喋るといつも本当のことからはなれていってしまう。アリストテレスって誰だ?
ロリコンとは友達になれない、といつも思う。だけどロリコンの造った作品は好きな場合が多い。よく考えてみたら友達になれるタイプの人がよほど少ないので、野球好きやサッカー好きと同じような位置にロリコンも配されるのだろう。
「しかし、俺達、ロクなもんとやってないな」
ぼくはこうしちゃいられないんだ。
あと関係ないけど私信。ヘンゼル姉妹の写真いろいろ。
http://www.magikglasses.com/cannibol/abodream/pages/hensels/hensel1.htm