絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

連続殺人者

 悲しいときは本を読む。いまは友達に借りた『連続殺人者 (TRUE CRIMEシリーズ)』という本を読んでいる。テッド・バンディやジョン・ウェイン・ゲイシーなどの連続大量殺人者について、出生から逮捕、死刑までをるポタージュしたものだ。偏向の強い内容だが、文体に特徴があって読むと楽しめる。一番の問題はそこで、訳者の意向か原書がそうなのか、明らかに楽しめる内容なので何の考えもなしに「楽しめる」と書けてしまう。もちろん殺人そのものは吐き気がするほど嫌なものだが(ぼくは他人の意思や偶然によって自分が死ぬことが非常に不愉快なのだ)、文章で書かれたそれらの出来事は事実でありながら「読んで楽しめる」レベルのものに脱臭されている。
 読むという行為には、ふたつの目的がある。ひとつは逃げるためだ。