もやもやフィクション
向かいの席に座った坊主頭の男が、焦点の定まらない目であたりを見回している。絶対に目をあわせちゃダメだ、昼の各駅停車に乗ったまばらな客たちは、見て見ぬふりをしている。
そして二日が過ぎた。
昔、川べりを歩いて海まで行こうとしたことがある。
今日、おれはひどいことを言われた。そのことを思い出すだけで、全身の毛穴が開きそうになる。もちろん仕事があるから充電が終わるそのときまでのことだ。この場合「仕事」と「充電」の間に何のつながりがあるのかを考えるのが作家、疑問に思うのが批評家、…