絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

『ブレードランナー』

「えっ、君、観てないんだ、電気羊…ああ、いや、原作の題名がね『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』って言うんだよ、フィリップ・K・ディックっていう人が書いた小説、SF、そうそう、いや、宇宙人は出てこないよ……え!?…まあ、確かにXファイルも影響下にないとは断言できないけど…そうかー、ブレラン観てないんだ…じゃあ話も知らないか…え?黄色い全身タイツ?チェーンソーを持ったデブ?……違う違う!それは『バトルランナー』だよ!なんでシュワルツェネッガーが出なきゃいけないの、違います。っていうかなんでバトルランナーなんか知ってるんだよ!…主演?…ハリソン・フォードだよ、ハリソン…出てる映画?ええと『スターウォーズ』……えっ?『スターウォーズ』も知らないの?…ああ、エピワンは観たんだ、いや、エピソードワン、そう、出てないよ!昔の、昔の『スターウォーズ』に出てたんだよ、ハリソン…他の?そりゃ『インディ・ジョーンズ』は外せないよね……え、知らない?うー、うー、じゃあ、ルトガー・ハウアーは……知ってるわけないか。まあ、とにかく、近未来の話でさ、酸性雨がずっと降ってるの、そう、酸性雨、そんな未来だから人造人間も進化してて、すげえ、人間と見分けつかないわけよ、ただ、レプリカント、その人造人間のことをレプリカントって言うんだけど、そのレプリカントは想像ができないんだ、想像、夢を見たり、不条理な事がわからないの。どうしてって…それは、わかんないけど…多分そういう風に作ってあるんだろうな、作った人が、人間と同じだと困るから、そういう風に作ったんだよ。なんでって、レプリカントは人間より強いんだ、もともと宇宙で作業する為に、人間の替わりに作られたものだから、力とか超強いの。うん、そうそう、だからさ、脱出して、地球に来ちゃったんだ、レプリカントが…そんで、ハリソン・フォードが、刑事でさ、そのレプリカントを捕まえる為に、捜査するんだけど…あ、電話?うん、いいよ、うん。気にしないで。
(5分経過)
ああ、何、友達、ふうん、そう、うん、そう、それでね、ハリソンフォードの役、デッカードっていうんだけど、彼は不安を…何、また電話?うん、いいよ。
(5分経過)
ちょっとドリンクバー行ってくるね。
(5分経過)
ん?大丈夫、うん。…でさ、デッカードはそのレプリカントを探しながら、レプリカントを作った会社、タイレル社に行くんだけど、そこですごい綺麗な女の人に出会うんだ、それが、レイチェル、実は、そのレイチェルも…え、何、友達?…うん…あ、そう…ふうん…いや?うん、それじゃあ、送ってくよ。いいの?あ、そう。それじゃ、またね。
(二十分経過)
よく考えたらブレードランナーも見たことない、スターウォーズも知らないような女と付き合っても仕方ないよな、まあ、飯代は損したけど、今日は、良い勉強になった、うん。
(一年後)
え?ブレードランナー観た事ないの?…

死ぬまで続く(バカとオタクは治らない)

 

原題:BLADE RUNNER
製作年:1982年
日本劇場公開:1982年7月10日(ディレクターズ・カット最終版:1992年)
監督:リドリー・スコット
音楽作曲・編曲・演奏・製作:ヴァンゲリス
原作小説:フィリップ・K・ディックアンドロイドは電気羊の夢を見るか?

キャスト
ハリソン・フォード(リック・デッカードブレードランナー
ルトガー・ハウアー(ロイ・バッティ/レプリカント