この狂った時代へようこそ!
というわけで、うずくまって泣いてても始まらないので*1、昨夜は香田さんのビデオ*2を見たり、仕事の文章が、ある方向に流れそうになるのを必死で止めたりした(偏っちゃいけない仕事だったから)。
さて、これから予想されるのは
- 「『華氏911』は逆効果」と言っていた知識人が「ざまあ見ろ」と言うだろう。
- 「無知な大衆を煽ってケリー支持に向かわせる」って言っていたひとは沈黙する。
- コメントを見て「わかってる」「わかってない」で分けるブログが登場する。
- ↑でも何が「わかってない」のかは教えてくれない。
といったところでしょうか。偉そうな知識人は具体的にどうすればいいか教えてくれない場合が多い。あ、そうそう「バカは投票するな」と言っていた『チームアメリカ』監督トレイ&マットの言うとおり*3、自分がバカだと知っているひとは投票に行かなかったもよう。えーと、無知の知ってこういうときに使うんだっけ*4。
識字能力のない者に選挙権を与えるなとは言わないし、宗教戦争だとも思わない。単に「知っていることを教えない」という、いやらしい発想がこの結果を招いただけだと思う。日常生活に応用しつつ、言っていることが多くのひとに伝わるように書かなくちゃいけない。カーペンターじいさん*5が描いたとおり、大きな力はいつだってぼくらの思考能力を奪おうとがんばっているのだ。
偉そうなもの言いは、言葉の本質を見失わせ、不要な反発を生む。なので今回は注釈をつけてみた。無意味だとしてもやるんだよ*6。あと今ほんとうに率先して具体的にやるべきことは、被災地への募金とか。
*1:"Welcome to this crazy time!"は、アニメ『北斗の拳2』の主題歌『TOUGH BOY』の歌詞から。元歌詞は「このふざけた時代へようこそ」だけど、多分アニメの主題歌だから変な訳し方になったのだと思う。
*2:特に感想はない、ひとが死ぬということに日本人も外国人もないので、今までと同じように悲しく、同じようにショックを受け、同じように考えた、この映像を見たことでおれは何をすればいいのか、とか。具体的には作品で訴えていくしかないので、まあなんというかがんばりますよこの野郎。
*3:id:TomoMachi:20041029他参照
*4:「無知の知」は哲学者ソクラテスのことば。「自分の知らないこともある、ということを知っている」というような意味でおおよそ合ってるはず……
*5:映画監督ジョン・カーペンター。宇宙人による洗脳社会を見たままに描いた映画『ゼイリブ』では、劇中宇宙人が仕掛けた広告に「考えるな」「服従しろ」「消費せよ」というメッセージが隠されている。主人公はそのメッセージを解読し……なぜかプロレス技で戦うのだった(主演が元プロレスラーだから)。
*6:「でもやるんだよ」特殊漫画家根本敬が採取した、結果を生まない行為を無意味に行う動機としてのことば。もちろんこの引用は、本来の意味としての「やるんだよ」ではなく、わりとポジティブな意味合いを持っており、誤った使用法と言える