絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

『天災と狂喜は神ひとえ』

執筆:竹田ドゥルーギー
1.
 オープニングアクト
 全身ラバーマンと、ラバーマスクマンと、オーウェンが間違って歳喰ったような男の3P。
 オーウェンが中央に配置され性玩具となり、マスクマンが口内を、ラバーマンが菊門をグッチョングッチョン。ラバーマンの執拗なフィストファックやアンクルファックに、オーウェンがずっとオウオウ言ってる5分間。30分くらいに感じた。アンクルなんて初めて見たよ。

  根本先生が『佐川一政さんの家に遊びに行ったところ、佐川さんに騙され、屈強な男性数人に回された』という夢を見てしまい、その関係で流れることになった映像である。
2.
ローリングストーンズの too much blood のPV(女性が怖い映画観てたら不安になって、影に脅える図)を流し、二回目のサビの辺りで突如、佐川さんが家族と楽しそうに演歌を歌ったり和太鼓を叩いたりする映像に切り替わる、広義としてのスナッフ・ムービー。
3.
  佐川さんの叔父の佐川満夫さん(演歌歌手)と、伊東ゆかりさんのデュエット。
  例の事件により、一番被害を受けたらしい佐川満夫さんの悲哀が直に伝わってくる映像。 最後にルネさん画像が挿入され、何となく気まずくなった。
  ちなみに佐川さん保有のルネさんアルバムは、当時のフォーカスに掲載された写真の切り抜きで、左側一面はルネさんのピンナップ、右側はルネさんの部品の写真を曼陀羅状に配置した、というものであった。
 佐川さんおまけ
4.
  漫画家、安倍慎一先生のインタビューと、安倍先生の怪作『僕はサラ金の星です!』のビデオ撮り紹介。
 インタビューは、「最近気になること」「好きなこと」など、当たり障り無い質問と回答が続き、やや単調に進むのだが、突然「ユートピアがねえ、700年後にやってくるんだよ。150年後にイエスが生まれるんだよ」という異次元に突入する。
 普通、こうしたブッ飛んだ会話になるときは、多少なりとも前触れや、空気の変化があるものなのだが、そうした気配が一切無く、ごく自然にスッと異界化したので大変驚いた。一緒に行った人は「いや、パリン、と空気が割れる音がしたよ」と意味の分からないことを言い出す始末。
『僕はサラ金の星です!』だが、なんというか、誌面全体に、1ミクロンくらいの厚さの「見てはいけないもの」がぺたりと貼られているような印象を受けた。何なんだろうなあ、あれは。もうすぐ再販されるみたいなんで、そのときに改めて紹介します。何なんだろう、あれは。
  そして最後に、カメラに向かって正拳づきを3回放つ安倍先生の映像で fin。劇終。
5.
  10年くらい前に竹下がやった「ふるさと創生事業1億円」を使って、『嫁不足を解消するために、フィリピンから女性を募集した』青森県のある町のドキュメントムービー。
  第一号となるフィリピン妻(初期マイケルのような顔)がインタビューで「家族のため」と堂々と言ってのけたり、「彼が全然英語を喋られないので心配」と日本語を覚える気ゼロの発言を悪びれずしたり、彼女の父親は「娘が金持ちのところに嫁いで嬉しい」と笑顔で語ったりとやりたい放題。
 第一号を迎えた彼は、何て説明していいのか難しいんだけど、顎が全然無くて、口の下がいきなり直角になっていて、顔と首が顎を介さずに直結しているような顔立ちであった。「モテようがねぇよなぁ」っていう顔で。外見から歳が全く分からないの。しゃくれの人が「さ行」を上手く言えないように、彼も何喋ってるんだか全然分からず、顎の大切さが伺いしれる映像だった。
  最後は、挙式の最中に止せばいいのに周りが「キース!キース!」と囃し立て、彼が照れながらファーストキスでエンド。
  この映像はとあるニュース番組で放送されたものなのだが、3人いたキャスターはそれぞれ、必死のフォロー、1億円をこんなことに使うなんてと激昂、ポカーン、と対応に困っていた。
6.
  韓国大紹介。
  地下鉄火災を受け、韓国のもつ、「何かにつけ、いちいち大事になる」という謎のパワーについて根本先生の講釈。
  まず、根本先生が85年頃に、『「飼ってる金魚が死んだから俺も死ぬ。でもどうせ死ぬなら大勢を巻き込もう」な考えの元、電車内に放火し大勢を焼き殺すバカのマンガ』という予言の書を記していたことを告白。
  次は、95年に起きた、韓国デパート崩壊事故の紹介。二次災害の恐れがあるため救出作業が思うようにはかどらず、行方不明者の家族が救出作業の早期再開を求め激昂し、機動隊と衝突を繰り返す映像が流れた。アナウンスでは「二次災害を防ぐため、精密な測量を行い、その後救出を再開する」と言っているのだが、その精密な測量器械ってのが、よく道路で距離とか図ってるような、素人目からも「もうちょっといいものを……」と言いたくなるような代物で、明らかにズサンだった。そしてズサンな調査を巡ってまた行方不明者の家族と機動隊が衝突。無茶苦茶。
 次は92年のバルセロナ五輪で、マラソン金メダルを獲得した黄永祚(ファンヨンジョ)選手の郷里の母を訪ね、インタビューする企画の映像。インタビューの内容自体は至極真っ当で、普通のいい話なのだが、どういう訳なのか、画面の片隅にテレビクルーの運転手のような謎の男が座り込んでカップ麺を食べてる様子がずっと映っており、感動秘話や母の涙が全部台無しに。
  そして最後に、98年の曹渓宗内ゲバ、僧侶立て籠もり事件の映像。なんでこんなことになったかよく分からないんだけど、僧侶が機動隊に火炎瓶を投げつけてジープが全焼したり、切腹して主張を訴えたり、ガソリンをかぶったりと大変だった。ハシゴ車のようなものを使い、機動隊が強制突入しようとするのだが、 別に僧侶軍団は何もしてないのにハシゴ車が勝手に倒壊し、機動隊員1人が首の骨を折るという重傷を負うなど、ズサンさが更に浮き彫りになる一幕も。突入した機動隊員が僧侶をボコボコにして終わり。ハシゴ車倒壊を<受け、根本先生「こういう余計な犠牲が出るところがさすがですよね」。
  これらのいちいち大事になる、という韓国の特製を根本先生は、「天災でも人災でもなく、民族災である」と説明した。
 半島には悪い気が溜まる、というが、ユーラシア大陸極東である朝鮮半島に、大陸全土から良くない気が溜まってきているとすれば、こうした大袈裟なことが起きるのも道理といえよう。更に言えば、溜まり濃縮された気が、半島から一番近い日本にヤケッパチ気味に無軌道に向かうのは当たり前なのかもしれない。
7.
  川西杏さん、クレイジーケンバンドにマジ切れ。
NHKに私を出演させるよう働きかけなさい!」とあらゆる知り合いに命令している川西さんだが、川西コンサートに何回か足を運んでいた横山さんが先に NHKの歌番組に出たことを知るや、途端に激昂。今度は「クレイジーケンバンドの横山は川西を利用した!」と周囲に喧伝し始める。映像は、クレイジーケンバンドNHKに出演したときの映像に、根本絵の川西さんが悪態を突き続けるというもの。
8.
  川西杏さん主催の、日韓親善コンサートの映像。
  日韓親善ということで、日本の演歌歌手であるジョージ高野さん(名前にちょっと自信が無いので、正しい情報をお持ちの方は情報提供お願いします)を迎え、トーク&歌謡ショー。
 ジョージさんが一曲歌ったあと、トークショーに突入。最初のうちこそ、ジョージさんの「昔ワイはこんな女とヤったでぇ」な下ネタ自慢話が進むが、ここでも自分の考えを話したい川西さんが、ジョージさんの話を無視するなどの手段を駆使し、徐々に強引にペースを自分のものにしていく。川西さんのワンマントークショーは際限なく続き、本来は歌の合間の小休止としてのトークだったはずが、気が付くと20分を越える長丁場に。いつの間にか発言が許されない立場になっていたジョージさんの、「うんざり」を体現したような表情が秀逸だった。
  そして一方的なまま時は過ぎ、極度にうんざりしたジョージさんの「日親善イベントなんやし、そろそろ歌にしようや」という破綻した提案を川西さんはどういう訳か受けてしまい、「そうね!日友好のために歌いましょう!」とムチャクチャな展開のまま終わる。なんだコレ。
9.
 盗聴マニアが傍受した、『どこかの飲食店で、ヤクザAがヤクザBに、「外部のお偉いさんを接待するんだけど、どこがいいかなあ」と相談し、ヤクザBがグチャグチャとものを食べながら親身になって教える』音声。これを聞きながら、平成15年2月28日(金)の映像夜間中学は終了。次回の映像夜間中学では、ついに蛭子さんを扱うらしい。
*この記事は(ドゥルーギーからの転載です。