絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

議論しないためのルール。

 フィンランドの小学五年生が作ったという議論のルールを見て、これは逆にすれば「普通の会話を議論にしないためのルール」としても使えるんじゃないかと思ったわけですよ。というのも、ぼくは飲み会とかでよく議論っぽいことになって、あれこれは違うと感じることが多いからです。というわけで自分用「議論しないためのルール」です、どうぞ。

発言をさえぎられても怒らない

 会話が盛り上がれば、脳の配線も愉快なことになっています。話の途中で相手が勝手に結論を想像して反応してきて、違うんだけどな、と思うのもよくあること。そんなときに「違うんだ友よ、話を聞けよ」なんつって結論が「金貸してくれ」だったら目も当てられません。クロストークの中にも新しい発見はあります。もし、誰にでも発言をさえぎられるのであれば、少し言葉を選んだ方がいいのかもしれませんよ。

だらだらとしゃべるのを、だらだらと聞く

 導入も展開も結論も特にたいしたことのない話を聞いて「時間を無駄にした」とか言うのはご法度です。だったらもっと前向きで生産的なことをしてください。2分だろうが10分だろうが、つまらない話はどのみちつまらないのです。あなたは本当に自分だけは簡潔で面白い話ばかりしていると思いますか?だらだらしゃべられたら、だらだら返事をしましょう。

怒ったり泣いたりされたら落ち着くまで待つ

 もし自分が冷静なのに相手が怒ったり泣いたりして、あなたがその原因に思い到らないのだとすれば、それは、あなたが謝るべき場面かもしれません。なぜなら相手はあなたより確実に頭の回転が遅い、もしくは問題点に気づくのが遅くてパニックを起こしているからです。そんなときは「泣くな」と言わず、肩でもなでて「うん、うん」と泣き言を聞いてあげた方が良いかも。

わからないことは流させる

 相手が不明な単語などに生返事を返したからと、いちいち話を止めて説明していたら「あなたのショータイム」になってしまいます。相手の身になって専門的な話でも、わかりやすいたとえ話などで「理解できなくても共感できるレベル」に調節しましょう。できないなら話の通じる友達とだけ仲良くした方が身の為だとは思いませんか?

なるべく目を合わせない

 二束三文の壷を高値で売るとき以外は、相手の目をじっと見て話す必要なんてありません。同じ景色を見ながら横に座れば自然と調和が生まれます。飲み会などで対面に座ったら、姿勢を斜にして顔を振らなければ目が合わないように座れば効果的。ずっと目が合っているのと、10回に一回目があうのとでは、後者に価値を感じがちですからね。

携帯をいじったり、メニューを見たりしよう

 どんなに話が盛り上がっていても、全員がその会話に参加しなければいけない法はありません。「空気読めよ」などと言われたら「ああごめん仕事」などと言ってトイレにでも移動してください。これは「トイレリセット」といって、議論がグダグダになったときも有効です。トイレから戻ってきたら改めて「いまなんの話?」と聞けば要約もできて一石二鳥です。

話が途中で変わっても怒らない

 自分から話を振ったのに、途中で違う流れになって、そっちの方が盛り上がったりしちゃっても、不機嫌そうな顔で黙ったり、どうすれば自分のほうに話が戻るか、なんて考えないで。あなたが主役ならそもそもそんなことは起こりません。もし最後まで話を聞いてほしいのなら、相手が無意識にでもメリットを感じる話をしたらいいんじゃないでしょうか。

台無しにされても笑って流そう

 幸せなことがあるとネガティブなことを言って感情の収支を整えるひとがいます。でも、そんなひとがもし雰囲気が最悪になるようなことを言ったとしたら、その場はとても楽しかったという証拠なのです。だから「何でそんなこと言うの?」と怒ったりしないで、やれやれまたかと肩をすくめて笑顔で返しましょう。

間違いを指摘されたら保留しろ

 いきなり「そりゃ違うよ」と言われたら、カッとなって反論したくなるかもしれません。でもよく考えてください、いま反論して相手をへこませたら、今後の人生が安らぎますか? あるいは逆に「間違えたのか!」と落ち込むのもおかしなものです。単なる会話を議論にしないためにも、間違いを指摘されたら「ああ、そうなんだ」とその場は納得し、心の中に保留しておきましょう。相手が間違っていたら、二度と会わなきゃいいだけです。もしそれが会社の上司だとしたら……ご愁傷様です。

前にした話をむしかえそう。

 思い出話が楽しいのは、互いの中で記憶が調律されていくからです。「その話前もしたよ」とか言わず、どんどん調律して単語だけで話が通じるようにしていきましょう。濃縮された会話は平行議論の百倍面白いですよ。

 とまあこんな感じで、自分のために役立てて行こうと思います。みんなも議論のテクニックばかり磨いていると、飲み会に誘われなくなっちゃうぞ

via フィンランドの5年生がまとめた議論のルールが凄い とか

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