絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

おれは負けない、なんかもやもやした不安に。


 まずはご報告。今年のワンダーフェスティバルで販売したいと願っておりました石仮面ですが、集英社の判断により販売できなくなりました。実物をご覧になりたい方は、新宿の8bitカフェに置いてもらえる予定なので、そこで見るか、あるいは何らかの方法を講じてくださいませ。ヒント>メール。
 で、時を同じくしてパソコンも壊れ不肖麻草32歳(先日誕生日を迎えました)、いや増す湿気にじっとりとフテ寝しておりましたところ、ふと思い立ちスカルピーをいじることにしました。思えばガキの時分から、粘土あそびが心の救い、こねこねしておりますと、こんなものができました。

なんでしょうね、こいつらは、瞳に漆黒の意志を宿らせた好漢であることは間違いない。絶対人殺しです。うーん、左のテキサスいオヤジはどこかで見たことがある。……これは……もしかしてエド・ゲイン?
 エド・ゲイン。映画「サイコ」そして「悪魔のいけにえ」のモデルとして有名な死体愛好家。墓をあばいては死体を持ちかえり、人間の骨や皮を使って家具や衣服を作り、月夜の晩には人皮のマスク、乳つきベスト、そして人皮のタイコを大腿骨で叩いて踊ったナイス・ガイ。村の子どもが泣いていると「ぼうや、どんな人間だっていつかは役に立つんだよ」となぐさめたという。
 もしかすると、これは天啓かもしれない。石仮面を奪われたおれに与えられた使命、それは殺人者の胸像を作ることなのか? 早速プリモを買って来てスカルピーと混ぜ、写真を見ながら造形、おお、似てきた。
  
 やるぞ、おれはやる、サイズを変更しながらおれは、新しく出た殺人の本を読んでいた。

 そうか、今年は津山30人殺し70周年なのか。都井睦雄、頭に懐中電灯をつけたその姿。すると責任編集の柳下さんがこう言った。
「睦雄も作ってくれたら買うよ!」
 こうなればもう止まらない。おれは、睦雄ヘッドとともに、エポパテを練りつつ、およそ20分の1サイズのフィギュアを作り始めた。
 
 
 ジョン・ウェイン・ゲイシーも応援してくれている、みんなの友達ポゴおじさんだよ!いまのおれに恐いものは何もない。
  
 こうしておれは、毎晩朝まで殺人者についての本を読みながら、造形を続けているのである。
 もし精神の均衡をたもち続けることができたら、ワンダーフェスティバルで会いましょう。