絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

黒人もテキサスも千葉も

 そもそも、黒人と白人は交配が可能なんだから知能も運動能力も容姿も単なる地域偏差じゃん。だったら「黒人だから知能が低い」って言葉自体が成り立たないでしょう。ああいや「おれの知ってる黒人はみんな頭が悪いぜ」って言うなら「へーそー」と答えるけどさ。
 何の話かというと、遺伝子の偉いひとが、アフリカの将来を心配してるとか。

 Watson氏は、「アフリカの可能性について根本的に悲観的だ」、というのも、「われわれの社会政策は、彼らの知能がわれわれと同じだということに基づいている――だが、実験結果はすべて、それを肯定していない」からだと述べている。
 この「厄介な問題」は今後、扱いにくくなるだろう。Watson氏は誰もが同等であることを願っているが、「黒人の従業員を雇わざるをえない人々は、これが真実でないことに気づいている」と同等論を覆した。
 さらにWatson氏は、「黒人の中にも非常に才能のある人はたくさんいる」ので肌の色で差別すべきではないが、「低いレベルでうまくやれない場合は、昇進させない方がいい」と語っている。
http://wiredvision.jp/news/200710/2007101921.html

 わ、バッカでー。とりあえず黒人と呼ばれる「肌の黒いひとたち」の遺伝的な資質がどうかは、この場合特に問題ではない。問題は社会制度についての意見を、遺伝的な問題であるかのようなすり替えが、ワトソンの言葉にはあらわれているということだ。
 考えなきゃいけないのは「従業員として雇われる黒人」は、どんな経済的状況にあり、その経済的状況にあるひとびとは、どんな教育状況を経てそこにいることが多いのか、ということだ。これは、足の速い黒人をほめるのと同じくらい、取り上げなきゃいけない問題だろう。
 こんな映画がある。

あまりにバカすぎてアメリカでもまともに公開されなかったバカ映画『イディオクラシー
 人工冬眠の実験台にされた平凡な男(ルーク・ウィルソン)が500年後に目覚めるとアメリカには知能指数50以下のバカしかいなかった。
 誰も本を読まず、朝から晩までジャンクフードを食べてコーラを飲み、男はスポーツ、女はファッションにしか興味がなく、テレビではお笑いとスポーツとイケイケ報道のFOXニュースしか放送してない「バカによるバカのためのバカの社会」アメリカ。
 500年前に平凡な男だった主人公はとびきりの天才に!
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20070124

 ある場所で、この映画のダイジェストを見る機会に恵まれた。アメリカの低所得者層を放っておく富裕層への皮肉に満ちた、傑作であるように思った。いや、もちろんすげえバカがバカなことをするテキサスな映画なんですげえおもしろいぜ!グフグフ。
 なんだっけ、ああ、ええと、バーカ!グフグフ。結論を最初に書いちゃったから書くことがないぜ!