絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

自分の書いたものは、必ず読み返す。

 上のフィクションは、昔書いたものを、書き直したものです。タイトルは映画から、話はなんでしょうねえ、そういう解説はしません。初出は2002年で、もう5年前。なので冒頭からビデオ撮るまではほとんど書き直しました。こんな余談なんで書いているのかというと、私はフィクションで自分とは違う人間を描きたいといつも思っていますよ、ということを示しておきたかったからです。
 私は、自分の作ったものを、完成してからも何度も何度も見直す性質なんです。別に推敲しようってんじゃなくて(そういう欲求はあるけど)、単に自分が好きだから、自分ラブだから。だけど、世の中にはまったく見返さないひとがいる、というのを知って、それはどんな気持ちなんだろう、と考えたわけです。そして、私がもし見返さないとしたら、それは、見返すことで薄れて消えていってしまうものが、その中にあるときかもしれないなあ、と思ったんですよ。
 そう思うと、自分の人生の中にも、あまりに優れているがゆえに、何度も見返すことのない映画や本がある。ただそれを所有している、ということだけで、触れるのがためらわれるような作品たち。ああ、えらいことを発見してしまった。私は全然そういう作品が作れてないので、まったくダメですね。