絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

マンガ進化論への道-その1

 以前私は「マンガ進化論-序章」という文章を書きました。これは「マンガ進化論」と言うくらいですから、進化論的な手法でマンガを分析するよ、ということです。ところが進化の仕組みから物事を理解するには多量のサンプルが必要です。思い込みだけで書くのは、私にとってはいつもの事ですが「進化論」と名づける以上、適当なことはできない。そこでまあ、なんというか、マンガに関しては技術的なことばかり書いていたんですね、サンプルを集めるのは難しいから。
 そこで、このような面白い試みをブクマで発見しました。

ちょっと色々考えることありまして、以下徒然なるままに、二次元世界での遺伝状況(優れているキャラの親父・一族)を列挙してみる。
http://d.hatena.ne.jp/gallery-tondemo/20070328#1175069142

 これはよい表です。この発想をもとに「連載時期」「父親と母親の能力的割合」「作品内で遺伝的な要素が発現した時期」「兄弟の在/不在」なんかをまとめれば、何かの形になりそうなアイディア。
 ところがこれ、分類の仕方が優性遺伝と劣性遺伝のよくある誤解で、しかもタイトルが「二次元的優性学」となっているんですね。もちろん「マンガ優生学」ってタイトルで「アンケート至上主義の分析」といった内容の記事であれば面白いのですが、この記事内で行われているのは単なるサンプルの抽出であります(余談ですが、ジャンプの新連載「サムライうさぎ」と「バレーボール使い」は遺伝子操作で生まれたビューティフルモンスターにしか見えません、興味深いです)。

優性遺伝はよく優生思想の優生と間違われて、優秀な遺伝と思われがちなのですが、決して優秀な遺伝子というわけではなく、強い遺伝子なのです。そして、劣性というのは、弱い遺伝子であって、決して劣っている遺伝子のことではありません。
優性遺伝と劣性遺伝

 せっかくの面白い行いが、ちょっとした間違いによって誤解されてはもったいないです。ではこの記事の正しいタイトルは何か。おそらくメインタイトルが「二次元的遺伝学」で、サブタイトルが「二次元世界における、能力的遺伝の研究」となるのかな。何だかえらそうな書き方ですみません!続きを楽しみにしています!