絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

白と黒の境目はどこだ。

名称なんかどもでもいいさん、更新停止。

 法的な立場を離れた部分で申し上げれば、貴殿のお気持ちは弊社も理解いたします。この点に関して著者ともども弊社からも、本書をもって率直にお詫び申し上げます。

正直これは何に対して謝られているのかわかりませんでした。リストの邦題の掲載順が一緒なことから当サイトをコピーアンドペーストして使用しているのは明らかなのに、参考にしたことを記述していないことについては全く謝られていません。これがとりあえず謝って事を済ませようとする青心社のやり方なのでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/soapland/20060728#p1

 リストを作る、という行為は見下されがちだ。あるものを、表に配置するだけ、そう思っているひとも多いのではないか。だがそれは、広大な地平を理解するために地図を作る行為にも似た、偉業なのだ。
 ひとが何かを考えるためには、立脚点と視点が必要だ。そのための土台として、対象物のリストは必須なのである。逆を言えば物事をリスト化することの苦手なひとは、考えるのが苦手だ。だからこそ青心社から出たその本は、soaplandさんの作ったリストをコピペしたわけだし、それがバレないように原題と邦題の順番を入れ替えたのだろう。
 編集者は偉そうな態度を取りかったわけではなくて、単に法的な責任を取りたくないだけなので(しかもそれは社内での立場のためで)、見下す意識があってこのようなメールを送ったんではないと思いたい。思うけれどもやはりこれはない。

ところで、本書は二年近くの歳月を掛けて著者が執筆、編集した書籍であり、また弊社は、出版社として、取り上げた対象で連絡可能な製作会社やプロダクションには当該ページの本文と作品リスト、年表を見せた上で諒承をいただくなど、版権管理等には尽力しております。なお類書はここ二〇年ほどは出ていないもので、相応の費用・労力をかけて、出版物という形で世に出しております。

「ぼくらだってがんばったんだもん!怒ったらやだやだ!」ってことか。
 むしろ、そっちは無許可で勝手にやってんだろうけど、こっちは仕事だから色々大変だったんだよ、ってことなんだろう。不遜だ。それと、リストを無断で盗用したことには、何の関連もない。気づいているのだろうか?
 この編集者に限らず、法的な問題に関して情に訴えればなんとかなると考えているひとが多いことに辟易する。とりあえずsoaplandさんには、弁護士に相談して裁判所で調停してもらうことをおすすめする。その場合、金銭ではなく、増版時にリスト作成に関する著作明記と謝辞を(サイトがあればそこにも)掲載することを希望すると話が早いと思う。悲しいことだけれども、心痛に関しては一切訴えず、あくまでリストの盗用と、その後の対応の悪さに絞って話を進めてほしい。もちろん弁護士さんによっては心痛を訴えた方がいいと考えるひともいるのだけど、あくまで一般論として勝てる可能性が高い方をおすすめしたいのだ。(これは、おれの勝手な考えなので、斜線を引いておく)
 おれはこれを黒だと思う。なぜか?編集者がこれを遊びだとは思っていないからだ。しかも、遊びでないなら、それ相応の責任が伴うという当たり前のことに、この編集者は気づいていない。おそろしいことだ、要約するとこうである。

おれは金かけて面倒なこともやって、それで食ってんだ。
お前は遊びでやってんだろうが、だからおれはお前の作ったものを盗む。
お前は遊びでやってんだから、怒る権利なんてない。
おれは仕事でやってんだ、黙ってろ。

 仕事でものを盗むひと、それは盗人と呼ばれる。
 無自覚な盗人には、踏んではならない尾を踏んだのだと、自覚させるほかに方法はないのである。