絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

「これは○○の形を借りた△△だ!」ってほめるの禁止令。

「これはホラー映画の形を借りた恋愛映画だ!」とか
「これはSF映画の形を借りた恋愛物語だ!」とか
「これは時代劇の形を借りた恋愛物語だ!」とか。
 形を借りるな、と。
 そんなに好きなら恋愛映画を見ていろ、と。
 いや、宣伝文句ならわかるよ、だってホラーやSFや時代劇ってだけじゃ、客が来ないような気がするもんな、営業さんは。あとプロのライターが何とか面白いとこ見つけようと思って書くのは歓迎する、心無い文章大好き。でもアマゾンのレビューでそんなこと描かなくてもいいじゃんねえ、それともアレか、何かもらってんのか。
 という枕とは何の関係もなく日記は続く。最近は虎眼タワーばっかり更新していたので、ここはどこの中山峠ですかってな具合だったのだが、細かいところを直していたら迷走したので少し休憩。って休憩じゃない、ばか、年末進行だ!ウェ!(ばっさり)もともとスケジュール管理が苦手なくせに無理に仕事を詰め込むので仕事机の周りがビーバーの巣みたくなってる。これは仕事場の形を借りたビーバーの巣だ!別にビーバーの巣が好きなわけじゃない。
 浅倉久志翻訳版『暗闇のスキャナー (創元SF文庫)』こと『スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)』を買ったわけだが、感想云々の前にあとがき。早川文庫のあとがきで創元山形翻訳版をオススメしてしまう浅倉御大の姿に腐女子妄想を膨らませた!おれが!ホモが嫌いな男なんていません!(えっ!?)
 「何かオトナの事情なんだろうけど、おれはやっぱ山形くんの訳が好きだな、幾度も参考にしてしまったよ」ていう(妄想です)。浅倉ヘタレ攻め、山形強受け、みたいな。ていうか山形さんは受けだよなあ、ジルベールクラスの誘い受け体質。
 えーと、浅倉訳は読みやすくて薄味でしたやっぱり。だってなあ『駿河城御前試合』をマンガにできるのが平田弘史山口貴由の他におらぬように『暗闇のスキャナー』は山形浩生にしか翻訳できないのだ。まだ創元文庫版も置いてる書店があるかもしれないから浅倉版と合わせて二冊買え!二冊!アマゾンなら簡単に買えるぞ!
追記
ラファティトークショー(アヌトパンナ・アルニッダ)
id:anutpanna:20051112#p3
やばいやばいやばい、ピュア!
あと山形版はここで読めた。
http://cruel.org/books/books.html
追記:
浅倉版は整いすぎてるのが不自然さの原因なのかな、って思った。
山形版が

いかなる書物にも、人類の有史以来、彼女の名前が現れることはない。近くに住まいがあるわけでもないし、名前もない。そういう女がいるものだ。

と普通の文章なのが、浅倉版だと

印刷されたページのどこにも、人間たちの記録のどこにも、彼女の名前は現れない――住所も無く、名前もない。世の中にはそんな女たちがいる。

引用符をつけて映画の冒頭に出したいくらいテンプレ的。山形版がドナ本人を描いているのに、浅倉版はドナ的な女全般を表現している、とかそういう感じ。