絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

 奇術師が好きだ。子供のころ、昼のテレビでよく放送されていた、海外のマジックショー。ナレーションはナポレオンズ。派手なイリュージョン芸の上にナポレオンズのしゃべり芸がかぶる、なんとも不思議な光景だった。NHKでナポレオンズが演っていた「手品教室」も好きだった。でかいメガネの方が手品をすると、やせた小さい方が「磁石だろ!磁石!」と、得意げに言うのだ。磁石なんてないのに。もちろん関係ない手品だから、言うのだ。得意げに。
 奇術を見ている観客は、口を開けて見ている観客は、間抜けだ。間抜けな空間に自ら飛び込んで、より派手な嘘を、より現実離れした嘘を求める。ぼくはそういう間抜け空間が好きだ、間抜け空間を笑顔で作り出す奇術師が好きだ。

 そりゃあ、こんなの撮るわけだよね。
http://screammachine.web.infoseek.co.jp/img/maze2.mpg
(参照:自主制作短編映画「スパイがいっぱい」)