絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

 そういやこの前、原美術館でやっていたパトリシア・ピッチーニの展示に行きました。CGで作った「増殖する幹細胞」という映像が、気持ちよかった。水音と呼吸音、水面下で傷口のような穴から増殖する赤い内臓めいた細胞、肛門のように引き絞って細胞を切り離す穴。短いループなのだけど、見入ってしまった。リアルな彫刻はその完成度に目がいってしまったのと、異形に対する拒否感がそもそもないのであまり深く考える事ができず、奇形頭部用ヘルメットを見て、仲良しだね、などと思ってしまう始末。メリック用ヘルメット(憶測)はリーゼントみたいで格好良かった。
 イノセンス流れで「球体間接人形展」にも行った。東京都現代美術館。以前、個展に行ったことのある、三浦悦子さんの人形は、高い天井で見ると更に威容を増して見ごたえがあった。フロアの終わりに置いてあったフィギュアは小さくて、どの人形よりも精巧に作ってあるのに、それゆえに模型だなあ、と思った。芸術と人形と模型、という三つのものが互いに混ざりながら溶け合わない、そういう展示でした。
 ついでに見た常設展示と特集も面白く、昼はカレーを食べ、帰りました。横尾忠則展の時みたく、一日中閉じこもるのも乙ですが、体力や時間のない時に短時間でしっかり見るのも、脳への刺激としては有効ですね。
 次はクサマトリクスに行こう。