絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

そういやスティール・ボール・ランについてヒトッコトも触れてないけどそれは別に何か思うところがあるからじゃなくて僕の感想なんかよりもインターネット殺人事件を読んだ方が一万倍役に立つんじゃないかな?と思っているからです。役に立つって何の。
 さて獄門島漫画祭ですが、僕は曽田正人「昴」(ISBN:409186001X)の1巻刊行が2000年であることに憤りを隠せません、ていうか惜しい。新井秀樹の「シュガー」(ISBN:4063461459)もそうですけど、不遜な天才が常人を震えさせる作品、というのは、実写でやればお笑いです。マンガでなければ成し得ない、という点において、もっともマンガらしいジャンルだと言えます。
 90年代にそのジャンルの頂点を極めたマンガと言えば山田芳裕の「デカスロン」(ISBN:4091514510)でしょう。今調べたら1巻刊行が93年で最終巻が99年。まさしく90年代を駆け抜けたマンガと言っても過言ではないようです。
でもまあ、これは違う。山田芳裕はこの後「度胸星(ISBN:4091524516)」を経て「ジャイアント(ISBN:4063288420)」で円熟の域をぶっ壊す快進撃を続けています。確かに「デカスロン」は素晴らしいマンガですが、同じ方法論でもっと良いマンガがあるならば、選ぶ必然はないでしょう。その作家の最高傑作でないものが、なぜその年代の最高傑作に?同じ理由で「ワールドイズマイン(ISBN:409152141X)」も、僕は選外なのです。
 もしかしたら、90年代最高のマンガを選ぶということは、90年代に最高だったマンガ家を選ぶということなのかもしれません。獄門島漫画祭りは、美しくも残酷な血まつりショーなのでしょうか。

というわけで、続く。