絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

EとIとOの文字が出ない♪

 とーっても大事にしてたーのに♪ というほどでもない我が相棒であるノートパソコンさんのキーボードが逝かれました。
 QとEとTとIとOとPとBackSpaceがまったく反応しない、簡単に言うとクェンティンタランティーノという名前が絶対に書けないし、書いてから「タランティーノでいいかな」と考えてクェンティンを消そうにも使い慣れたBSではなく、文字列の最初にカーソルをもっていってDelキーを押さなきゃいけない。書きませんけどね、あんまり、タランティーノとか。とはいえEとIとOって母音のうち3音死んでるわけで、素直に従っていたら何も書けない。書いちゃいけない、書かせてくれない。『残像に口紅を』じゃねえんだぞ。
 というわけで、ほったらかしていた外付けワイヤレスキーボードを引っ張り出して書いている。べんり、ちょうべんり。思い返せばこのノートさんも5年はお付き合いしているわけで、たくさんの脚本を打ってきた。そりゃもっとも使用頻度の高いと言われるQWERTYの列がぷちっと破滅の音もなく応えなくなるわけである。QはともかくEやI、Oなど、その打ち据えられた数は数十万回もくだらないのではないか。人間など数十万回も殴られたら影も形も残るまい。二度のフォーマットを経て過去のデータは時空の彼方に消え去ったけれども歴史は経年劣化という形で現在にその影をおとすのだなあ、ひとはいなくなる、ものはきえる。キーボードが壊れただけでずいぶんとしんみりしておりますが、まだまだ私は生きている、たくさんの過去を置き去りにして、新しい物語を書こうとしている。
 もうしばらくおつきあいください。