絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

本を読んでみたいけど、どうすればいいのかわからん人への簡単なアドバイス。

 ぼくが本をよく読むようになったのは、子供の頃から家に本が大量にあったからでした。おぼつかない頃から暇つぶしの相手は本でしたから、わけもわからず筒井康隆小林秀雄に出会ったりしていたわけです。
 なので、本を読んだことがない人は、まず本を買うところからはじめましょう。

何を買えばいいか

 これはもう、好きな人の書いた本にまさるものはないでしょう。たとえば矢沢永吉さんの『成りあがり』や松山千春さんの『足寄より』などの自伝、あるいは有吉弘行さんの『嫌われない毒舌のすすめ』などのハウツー本は、読んでいても書いている人の人柄などが想像できて、楽しいものです。
 もし好きな人が本を書いていなかったら、その人がインタビューなどで答えた「好きな本」を真似して買ってみましょう。

どう読めばいいか

 頭から律儀に読むことはない、好きなところから読めばいい、と読書の先人はいいます。確かに1ページ目で挫折する人は、私の身近にもいます。パラパラと開いて、気に入ったフレーズから読み進められたら、それは確かに楽しい読書体験です。
 ですが、普段本を読まない人が本を読まない理由は「なんだかよくわからない」からです。話に途中から参加して、理解できるかどうかはギャンブルになりますので、ここはひとつ「あとがき」から読んでみましょう。
 「あとがき」や「解説」には、本の中で書かれている大切なことが、短くまとめてあります。そこで「この本は何を言いたいのか」を知ってから読めば、どこから読んでもだいたい意味はわかりますね。

本を読むとどうなるのか

 まず、使える言葉の量が多くなります。語彙(ごい、ボキャブラリー)が増えるわけです。人間は言葉がなくても考えることができますが、言葉があると考えをまとめやすくなります。考えをまとめられると、その考えをひとつの箱に入れて、ほかの箱と見比べたり、中身を混ぜ合わせたりできます。
 そして、新しく増えた「考えの箱」と、新しく読む本の中にある「考え」をぶつけることで、だんだんと「自分の考え」がハッキリしていきます。
 もちろんそれは、誰か他人と話すだけでも、できることです。古代のギリシャや中国なんかでは、多くの人がそうやって頭の中で考えをまとめて、人に話していました。でも、それを聞いた人は、やっぱり本を書いて、後世に残したのです。
 なぜでしょう?
 その答えも、いろいろな本を読んでいると、頭の中にはっきり浮かんでくると思います。
 簡単なアドバイス、と書いたとおり、簡単なところで終わります。