絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

幽霊と宇宙人、どっちが怖い?

しかも変なものを埋め込む。

 去年、友達となぜか「幽霊と宇宙人、どっちが怖い?」という話になり、おれが「断然幽霊の方が怖い*1」と言ったら、友達は「バカ、宇宙人絶対に話し通じないって」と強弁したのだった。まあ話の通じなさにかけてはどっこいだと思うが、友達の言うには「幽霊は遭っても死ぬだけだ、宇宙人はさらうぜ、しかも変なものを埋め込む」ということだった。
 その怖さをじっくり描いたのが、去年公開された「地球外生命体捕獲 [DVD]」なわけだが*2、確かに幽霊は現れるだけで、あんまり連れ去ったりしないなあ。いやしかし昔の幽霊は連れ去っていたぞ、牡丹灯篭とか、などとボンヤリ考えた。あーでもな、もとは中国の話だし、そういうのは宇宙人と混ざって当たり前な気もする、ロンドンに現れた謎の飛行船とか。
 あの足のない幽霊画ってのは日本独特のものらしい。誰が最初に足をなくしたか、なんて議論もあるみたいだが、むしろ恨みも怒りも感じさせない穏やかな顔の方が、怖さを増すように思う。あれ、なんだか得体の知れない奴が、こっちを見ててじんわりと怖いなあ、というのは宇宙人にはない怖さだろう。
 そうすると、幽霊と宇宙人を出会わせてみたくなるのが人情というものだ。二つ同時に現れたらすげー怖いんじゃねえの。いや無理だろ、いいとこ「イベント・ホライゾン [DVD]」が関の山、あとは宇宙人幽霊ってことで「ゴースト・オブ・マーズぐらいしか浮かばない。なんて思ってたら……
 あった。「幽霊VS宇宙人(公式サイト:http://www.yureivsuchujin.com/)」
 スゲー!まじで!?なんて紹介文を良く読むと、二本立てって書いてある。なんだ、同じ映画に出てくるわけじゃないのか。マジンガーZ対デビルマン [VHS]みたいな感じでもいいから同時に出てほしいなあ。でも前述した友達と是非とも観に行きたいと思ったのでみんなもそう思えばいい。

「宇宙人にさらわれた、と謎の証言」

 じゃあ真面目に、幽霊と宇宙人が同時に出てくる映画を考えてみよう。幽霊、宇宙人、おお、なんか出てきた!

案1.宇宙人が地球にやってきて殺した人間が、幽霊になって現れて地球人が困る。

 リング2の「あれは人間の言葉じゃあなかった……」と同じ方式ですな。宇宙人はボンヤリとしか出てこない。
 謎の死亡事件多発>原因究明>幽霊の存在>正体調査>宇宙人との関連
 死んだライターのメモを調べると「行方不明になった後、無傷で発見されるが、まもなく死亡」とかなってて「宇宙人にさらわれた、と謎の証言」なんて書いてあって、ああ気が違っててしかも幽霊か、いやだなあ。となる。
 でもこれ、全然幽霊と宇宙人が戦ってないなあ。戦う……そうか、戦うということは、理由が必要なんだけど、理由がわかっちゃうと幽霊の場合その存在の理不尽さが消えちゃって、怖くないんだな。むしろ幽霊の側が、宇宙人を圧倒する感じの方がいいのかもしれない。

案2.宇宙規模で地獄の扉が開くのを阻止しようとして、宇宙人が地球人の体に取憑く。

 ウルトラマンって偉大だなあ。イメージとしては「ヒドゥン [VHS]」の方が近いけど。あっ!あっ!浮かびました!

刑事(役所広司)がある日記憶を失うんだけど、実は宇宙人に取憑かれていて、その日から幽霊が見えるようになって困る。宇宙人の急かすままに、幽霊を成仏させてまわる刑事(役所広司)。次第に常軌を逸しながら「あれ?おれ気が狂ってるだけ?」と悩みはじめる刑事(役所広司)。ところが世間では謎の失踪事件が多発し、地獄の扉がゆっくりと開くのだった。

 どうにかして黒沢清監督がこの映画を撮らないものか、と夢想しつつトイレに行きづらくなったところで今日はおしまい。

叫 プレミアム・エディション [DVD]

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*1:無神論者で懐疑主義なので、本当にいたらマジで倒れる。トイレで足つかまれたらしぬ自信あるもん、びっくりじぬ。

*2:地獄の変異」と並んでラスト以降が気になる映画だと思う、というかこのノリで仮面ライダーウルトラマンの実写版が見たいよう、見たいよう、と思う。