絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

マンガ面白い、ってどういうことだ。

序 おれの人生の物語

 おれは、つまらないマンガを読んだことがない。映画に対しても同じことを書いたような気がするが、マンガの場合は少し話が違う。恐ろしいことに、この世に出版されている、あらゆるマンガは時を超えて面白いのである。それはなぜか。
 まずマンガの面白さとは何に起因するものなのかを考えてみよう。ここで「テーマ」「物語」「象徴性」などといった、他のジャンルにもあるような要素を挙げた方には再考を求めたい。あなたたちは何を見ても同じような物しか見ないのか?ならばマンガについて語る必要はない。マンガからそれらを抜くと、残るのは何か。「絵柄」か「セリフ」か「キャラクター」か。これもまた「マンガ独自」のものではない、取り去ってしまえ。
 残ったのは枠線で区切られた、異様な空間だ。これがとてつもなく、面白いのである。
 そして、その空間に、絵柄を持ったキャラクターがセリフと共に現れて、象徴的な物語をテーマに沿って繰り広げる。つまらないわけがない。なぜならマンガは最初から、面白くなるようにその仕組みが作られているからだ。じゃあ何で打ち切りマンガなんてあるかといえば、それはマンガの上に乗ったものが、君たちの好物じゃなかったからである。どんなうまく炊いた飯でも、カレーじゃなくて(中略)言ってしまえば「死ぬほど面白い」のと「面白い」には天と地ほどの差があるということだ。だが、つまらないマンガなどどこにもない。あるとすれば、それはマンガではないのである。
 というわけで、おれの読むマンガは時代もジャンルも超えて、どれもこれもべらぼうに面白いのだ。

破 ロウソクはなぜ燃える、みたいな話がしたかった。

 おればかりが面白いマンガを読んでいて、申し訳ないな、というのが最初にある。どうにもこうにも、マンガの読み方自体があまりに知られていない。基本的な面白さを知って、あとは細分化されている中から、好みで選べばよろしい。そのために、ロウソクがなぜ燃えるのかと同じレベルで、マンガとは何であるかについて詳しく書きたい。
 枠線の中にあるのは、どんな世界なのか。そこには右も左もなく、上も下もない。一目でわかるけれども、細部に至るまで読み尽くせない。絵でも記号でもない、それはマンガなのだ。

急 そういうものだ。

最強のミニコミ総合誌<PLANETVol.4>がいよいよ登場です。
http://www.geocities.jp/wakusei2nd/p4.html

だそうです。また書かせてもらいましたよ「マンガ図像学序論」に続き!第二弾!
題して! 「マンガ図像学序論2 きみはいったいマンガの何を見ているのか」
また序論かよ、いつまで序気取りなんだよ。いやタイトルはこんなだけど結構なこと書いてますよ!
死ぬまで序気取りのあさくさせんせいにはげましのおたよりをだそう!