絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

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タイトル 『安楽座椅子探偵、篠倉宗右衛門』

ジャンル 描けない画家と、その真面目な嫁を主人公にした、喜劇。

内容

明治初期、描けない画家と真面目な嫁が織りなす喜劇。
篠倉宗右衛門は、彫刻のように絵を描いた。キャンバスに絵が浮かばないと、筆は一ミリも進まないのだった。
しかし、それは、如実に日々の収入へと影響を与えていた。
嫁の越子(えつこ)はそんな宗右衛門をいつでも叱責する。早くまともな画家になって、稼いでほしいのだ。
ちゃんと稼ぎがあれば、休みをとって旅をすることもできるし、甚五郎だってやりたくもない仕事をすることはない。
そう、甚五郎には画家の他に、もう一つ仕事があった。それは、探偵である。
町方同心が警察へと鞍替えするさなか、探偵の名をとどめながら公の場から姿を消した者たちがいた。
与力であった叔父の手伝いをしていた甚五郎は、そんな探偵の一人だった。
今夜も、明日の飯代を稼ぐために甚五郎は警察署へ向かう、未解決事件を紙の上だけで解決するために。
わずかな情報を頼りに、宗右衛門は頭に絵を浮かべる、全ての鍵がそろったとき、その絵は動き出す。
さまざまな未解決事件を解決する宗右衛門、だがやはり、キャンバスの中に見えない絵は描けないのだった。
 
 前に描いた「器用探偵」からの連想です。エピソードとしては「大金のかかった絵は描けないけど、幼い子供の依頼した小さな絵は完成する」とか、そういうのが浮かびますな。安いけど。青年誌の探偵モノは「何かに特化しているが故に、日常が不便」というキャラクターが基本で、というか探偵モノに限らず全部そうだな。ここで連想が『血だるま剣法・おのれらに告ぐ』 に飛んじゃうのが悪い癖だな。「血だるま探偵」って意味わかんないもんな。探偵やってる場合か、お前が先にその血だるま問題を解決しろ。
 青年誌のキャラクター造形が「器用で不器用」に傾くのは、まあ人間年を経ると自分の器用さも不器用さも理解できるようになるね、ってことなんだろう。転じて少年誌における不器用な主人公は「器用」ではなくて「天賦」で困難を切り抜けたりする。当たり前のことを書いているな。
 ギャンブルものは超絶強い主人公になりがちなので(負けたら死ぬとかだから)「主人公がぼんやりさん(『嘘喰い』『カイジ』)」か「サブキャラが成長(『ギャンブルフィッシュ』『医龍』)」にするとうまくいく気がする。あ、今医龍をギャンブルモノに入れて思ったけど、マンガのジャンルをちゃんと分けたい欲求があるな。よし、今度のアレはそれをやろう。