絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

ホロフォニクスって結局なによ。

 左右だけでなく前後上下にも音源が移動しているように感じてしまう、脅威の音響システムホロフォニクス
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調べてみるとこんな原理。

  1. 耳が音を出していて、その参照音と外界の音の干渉を脳が読取ることによって、位置情報を得ている。
  2. 合成した参照音とともに外界の音を録音する。
  3. 再生すれば、脳は自分自身の参照音波を出し、脳はその情報を解読しその録音された周囲の状態を再生する。

つまりホロフォニクスは、レーザー光を使ったホログラムの音響版と言えるような原理であるらしい。
http://www.23net.tv/xfsection+article.articleid+69.htm

 すみません、意味がわかりません。
 ホログラムについて調べてみると、こんなページが出てきた。

空間の光を平面に記録するという点から一般の写真についても説明するよ。そうすると、ホログラムについてより深く理解できると思うから。
http://www.jomon.ne.jp/~artnow/course/holo/genri/01hikaru/01hikaru.html

 簡単に書くと、ホログラム写真には参照光と物体光の干渉縞が記録されている、そんでホログラム写真に光を当てると、干渉縞から物体光が再生されて、目に入る。じゃあ何で立体に見えるかというと、左右の目に入る光にズレがあるからだ。
 左右の目で二つの写真を見て、立体的に見る方法があるでしょう。裸眼立体視ってやつ。ここがポイントで、じつは、裸眼立体視だろうがホログラム写真だろうが、記録と再生の方法が違うだけで、結果的に「それが立体的に見える仕組み」は同じなんだ。
 ここでホロフォニクスに戻ろう。ややこしい理屈をこねているが、どんなスピーカーでも聴けてしまうのは、立体的に聴こえる仕組みが特殊でないからだ。
 普通のステレオは、左右のスピーカーからズレた音が聴こえたり、響いたり、途切れたり、音の大きさや反響の広がりを違えることで、立体音響を形作っている。
 では、現実のおれたちは、どうやって音の前後上下を測っているのか。実はこれ、参照音とか干渉波とかは、あんまり関係ない。要は音の質なのだ。
 鼓膜というのは耳の穴の奥にある。だから伝わってくる音は穴から直接入ってくる音だけではない。骨伝導イヤホンマイクの仕組みとか、カセットテープに録った声が何で違うように聴こえるのかとか、いろいろ聞くでしょう。
 そう、頭蓋骨というのは、位置を測るのにとても都合の良いフィルターなのだ。真正面で鳴っている音が後頭部に移動すれば、頭蓋骨の響く音も変わる。アゴとおでこで響き方が変わると言えば、なんとなく想像もつくだろう。
 ホロフォニクスというのは、その頭蓋骨の響きを効果的に録音する方法のことなんだ。たぶん。
 だから、ホロフォニクスはモノラルでも上下前後の違いがわかる、シンセサイザーの音をホロフォニクス的に鳴らすことができる。必要なのは音が頭蓋骨のある部分を通ったときにどう変化するか、であって、複雑な音響システムとは、何の関係もないからだ。
 開発者のヒューゴ・ズッカレリは、こう言い残している。

今の時代にとって極めて唐突なテクノロジーとして受け取られ、単に音の知覚を更新した技術に止まらず、様々なテクノロジーを改変してしまう可能性に発展していくのだ(中略)
それが一挙に進めば、あらゆるシステムが急速な変化の渦に巻き込まれてしまい、それがもたらす変化の構造はあらゆる側面においてマイナスの要素となってしまうのだ(中略)
http://www.23net.tv/xfsection+article.articleid+69.htm

 たぶん、引っ込みがつかなくなったんだと思う。