絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

「吐き気をもよおす真の邪悪とはッ!」

殺人未遂の現行犯で逮捕されたのは、保土ヶ谷区上菅田町の無職・大木貢容疑者(63)です。
 大木容疑者は保土ヶ谷区上菅田町の渡辺春雄さん(47)所有の畑に無断で寝泊まりしていましたが、8日午後、渡辺さんに立ち退くよう求められたことに腹を立て、「殺してやる」と包丁で襲いかかりました。大木容疑者は騒ぎを聞きつけた近所の男性に取り押さえられましたが、渡辺さんは顔を切りつけられるなどして軽傷を負いました。
 調べによりますと、大木容疑者はおよそ30年間で7メートル四方のゴミの山を築きそこに寝泊まりしていました。渡辺さんは再三にわたり立ち退きを要求していたということです。調べに対し、大木容疑者は容疑を認めているということです。(08日19:40)
http://symy.jp/?D6_gomi

 邪悪さ、というものについて話していて、間借りした土地のひとを刺した浮浪者に話がつながった。容疑者は「刑務所出たら殺してやる」といきまいてるらしい。こいつは邪悪だ、まるで根本敬のマンガのようだね、などと話しつつ、だからこそ「物語」には芯から邪悪な人間が必要なのだ、という結論に至った。それはなぜか。悪と正義は状況次第でいくらでも裏返るが、正と邪は裏返らないからだ。
 そして、先日テレビで実写版のキャシャーンを見た知人が「ああ、だからあれは見終わったあとで釈然としなかったのか」とつぶやいた。キャシャーンに限らず、煮え切らない話というのは邪悪さを排除してしまう傾向が強い。誰にも事情があって、理由があって、納得のいく動機があるんだと、理詰めで考えてしまう。おれはそういう性善説的な話を愛するときもある。だけどスカッとはできない、なぜならそれは、おれたちの日常だからだ。
 おれたちの生活には、正義もない、真の邪悪もあまりいない。

 うーん、こんな話にするつもりじゃなかった、単にアニメ版キャシャーンのOPに実写版の映像を重ねたマッドを前に作ったのでYouTubeにアップしたよ、って書きたかっただけなのに変な話になった。
http://youtube.com/watch?v=144XlF_BqzE