絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

パチスロを純粋ギャンブル装置にしたらあの子どんな顔するだろう。

 町を歩いていると、パチスロの派手な看板が目に入り、派手な音楽と効果音、そして射幸心を煽るアナウンスが聞こえてくることがありますね。
 あれが不愉快で仕方ない。
 口を開けてボリボリせんべいかじる音や、ズルズルとトコロテンをすするような音、ストローから口を離すときのチュポンという音や、ジュースを飲んだあとの「プハーッ」というため息などと同じくらい、聞かせてほしくない音だと感じます。
 なぜなら、私がその渦中にいたとしたら、あれほど心地良い音はないと知っているからです。本人にとって心地良い音ほど、その快楽を共有していない他人にとって不愉快なものはないんですよ。
 ところがね、じっさいにパチスロにはまっている知人に聞くと、あんな光や音は好きではないのだと言うわけです。パチスロというものは、当たる台を見つけて的確なタイミングでボタンを押すのが楽しいのだそうで。
 ええ、その通り、ギャンブルは楽しい、煙草一本賭けたって熱くなれます。
 私は、すぐに熱くなる性格なので、ギャンブルにはなるべく手を出さないようにしています。
 たとえば昨晩、知人に「1万円ジャンケンをしよう」と言われたので「やりません」と返したら「じゃあ300円」と提案されて乗りそうになった自分がいるわけですよ。結局煙草一本ずつ賭けたけど、何度やっても煙草が行ったり来たりするだけで「これ何百回やっても最後は半々で終わりますよね」って感じで終わりました。
 パチスロは煙草一本ではなく、何千円、何万円を賭けるのです。ならば純粋ギャンブル装置にしてしまえばいいではないですか。ビカビカ光る電灯もループする音楽も派手な画面も、回転するドラムだってなくしてしまって問題はないでしょう。
 黒い箱に、ランプが三つとボタンが三つ、換金用のレシートを印刷するスロットと印字ボタン、千円札を入れるスロット、そして金額を表示する小さな液晶画面がある。これくらいシンプルにしてしまいましょう。
 千円を入れると「ピッ」と音が鳴る。
 ボタンを押すと、ランプが光る。
 当たっていると「ピーッ」と鳴り、外れていると「ブーッ」と鳴る。
 液晶に表示される金額が上下する。
 終わらせようと思ったら、印字ボタンを押す。
 印刷スロットから金額を打った紙が印字されて出てくる。
 想像してほしい。ズラリと並んだ黒い箱、床も壁も白く塗ろう。音楽も何もなく、空調の音が静かに響くなか、ピッ、ピーッ、ブーッ、ジジジ、ピッと音が鳴る。
 もしもパチスロがこんな管理社会っぽいものだったら、私もイラッてしないんですけどねえ。それどころかハマってしまうかもしれません。キャラクタービジネス?箱のスミにMSゴシックの白字で「エバンゲリオン」って書いておけばいいんじゃないですか。「ホクトノケン」とか「ウミモノガタリ2」とか。何が「2」なのか全然わからないですけど。
 ていうかこれlis::ぼくらの「サブカル女子キャバクラ」妄想と同じですねえ。
 そういうのがあったらすぐ行くのに!