絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

タイのウルトラマン

 既出だろうけどタイのおさるさんが棒で怪獣を殴る動画。
http://www.youtube.com/watch?v=gY1JRPFK9-E&search=Hanuman
 見たらわかるけど、ゴモラウルトラ兄弟が囲んでる。で、おさるさんが棒でボッコボコに殴る。ひどい、袋叩きじゃないか。こんなもの子供に見せていいのか。でも少し考えたらわかる、RPGなんかだと大ボスは力あわせて倒すじゃん、これ、サイズが小さいからリンチに見えるだけだよ。
 どうなんだろう、わからん。そもそも、敵が何であれ、リンチ的な状況を正義とする土壌がおれの中にない。おれは大ボス倒すなら誰か一人が犠牲になって倒すのが好きだ。ドラえもん大長編なら海底鬼岩城が大好きだ。パーティー組むタイプのRPGは苦手だ。その辺は慣れ親しんだ作品の違いであって、どちらが正しいというものでもない。
 そうすると「自分より強い奴なら大勢で叩き殺していいんだぜ」という発想は「強い奴は弱い奴を攻撃しちゃダメなんだぜ」という発想から生まれたように思える。

というのは

  • みんなで力をあわせて敵を倒そうぜ!

という発想に基づく行動で、その原因は

  • 強い奴が弱い奴を攻撃してるから止めようぜ!

ってことだ。なぜなら

  • 強い奴は弱い奴を攻撃しちゃダメだぜ

という、弱者へのいたわりが、基本理念としてあるからだ。
 ケンシロウモヒカンたちが集団で襲うのは、ケンシロウがやたら強いからだ。モヒカンモヒカンにやさしいのである。
 つまり、やさしさは残酷さを呼ぶのだ。

 でもさあ、ウルトラマンって一人でも強いじゃん、何で「おい兄弟、オレが腕を押さえているからその間に殴るんだ!」ってなるのかわからない。ヤンキーマンガだったら腕を押さえてる奴が血だらけになってるとかメガネが割れてるとか、そういう表現で納得できそう。でもウルトラマンたちは元気そうだなあ、どう考えてもリンチが肯定されている世界にしか見えない。id:samurai_kung_fu氏の指摘通り、モヒカンは種籾を持った老人も集団で殺す。モヒカンモヒカンだけやさしい。やっぱどこかに「集団で殺すの気持ちいい〜っ」っていう文化圏があるみたい。やだなあ。
 いやいや、それは文化圏ではなくて、みんなの心の中にあるんだよ。