絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

ハリイ・ハリスン『テクニカラー・タイムマシン (ハヤカワ文庫 SF 193)』

 ずいぶん前に読んだのだけど、今日見たビデオ映画企画のあらすじを見て思い出したので、感想を書く。『テクニカラー…』のあらすじはこんな感じ。

 食い詰めた映画監督バーニーは、豪腕なプロデューサーをうまく乗せ、資金を出させて開発したタイムマシンを使い「ヴァイキングアメリカ大陸(ヴィンランド)を発見する」というセミドキュメンタリードラマを撮るために、昔のイングランドへ飛ぶ。本物を使えば出演料も安いし、セット費もかからないぞ!……しかし、そこで出演してもらうことにした本物のヴァイキングは「新大陸?何それ?」とまったく興味がない様子。このままじゃ撮影もおぼつかない!仕方なく、ヤラセを実行するハメになった撮影隊だが、予算は切り詰められ、古生代に飛んだ脚本家はエビが嫌いになり、遂には主演女優が……!?

 まさにビバ70年代なドタバタコメディSF。しかも挿絵はモンキー・パンチ、ぴったり。銀行家とプロデューサーが牛耳るタイプの映画づくりを茶化しつつ、しっかりタイムマシンSFにオチを持って行くあたりはさすがの腕前。映画化されなかったのが不思議なくらいだけど、してたらえらいことチャチかっただろうな、とも思う。
 今作るとしたら主演はベン・スティラーがいいなあ、そんで海賊オッタルがオーエン・ウィルソン、で、プロデューサーがウィル・フェレル。ってそりゃズーランダーだ!……やべえ、観たい、誰か作って。
そうそう、思い出した原因のビデオ作品というのがこれ。

タイムマシンで、過去にも行けるようになった未来の日本。テレビ局の新米女性プロデューサー・寺田ジュンは、初のチーフとしてスーパー戦隊100周年記念企画を任され、意欲的に新ヒーロー作りに取り組んでいた。そして、古来より伝わる特殊な力を生み出す雷"伝説のいかづち"をモチーフに、その雷光に撃たれた三人の忍者ヒーローの活躍を描いた「超忍者隊イナズマ!」を考案。ところが、取締役の気まぐれから急遽路線が変更。100周年記念企画は、ドラマではなく、実際のダメ男を使って一人前の忍者ヒーローになるまでの姿を面白おかしく見せるバラエティものに決定した。愕然とするジュンだったが、持ち前のポジティブさで「どうせやるなら忍者の時代でやろう!」と、生意気なアシスタントプロデューサー・倉田宮敬直を連れて、いざ江戸時代へと向かった。
http://www.toei-video.co.jp/inazuma/index.html

 これが面白くて話題になって、似てるってことで『テクニカラー・タイムマシン』がたくさんの人に読まれるようになるといいなあ。って思ったよ。