絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

第一話『忘れ去られた前途』
主人公ローカスは、意思のない曖昧な状態で宇宙を漂っていた。
宇宙船"叫び続ける渦"号の船内に、もはや生きる者の姿はなかった。
漂いはじめて数日後か、数万年後かはわからないが、あるとき訪問者が現れた。
シェスラという名を持ったその人工生命体は"苦痛の鍵"をローカスに与えた。
ローカスは意識を取り戻し、肉体と精神の秩序を取り戻した。
だが、その肉体と精神は"苦痛の鍵"の所有者である調停者"ソロナール"の支配下にあるのだった。
過去を失ったローカスは、調停者ソロナールの忠実な部下となった。
"終焉の戦斧"と呼ばれた戦争によって、銀河はかりそめの平和を手に入れていた。
やがてローカスは、ソロナールの部下として働くうちに、己の厳格さに気づくのだった。