絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

インターネット大喜利について。

例文
 先日私も回答したインターネット大喜利だが、他の人の回答に目を通すと「眞鍋かをりの○○話」に対する回答と「インターネットと回答させるお題」がダントツで面白い(場合が多い)。やはり、答えたときにズレが生じやすいお題と、際限なくズレて面白さが分散するお題があるようだ。
 ある程度の常識を持っていないと適切なズレを見つけることはできない、ところが常識というものは年齢や生活環境によって変わるから、まずは一般に通じる「常識」を見つけなければならない。これが結構、難しい。
眞鍋かをりの○○話」の何が良かったのか。この題名からは「眞鍋かをりが何かを話す」もしくは「眞鍋かをりの身に起こった話」といった常識的な連想がすぐに浮かぶのである。常識が浮かべばズラすのは簡単だ。たとえば「眞鍋かをりの飼っている犬の話」にはズレが存在しないが「眞鍋かをりの飼っている犬と対話」は明らかにズレている、この場合「眞鍋かおりの」は進行役としての眞鍋かおりではなく、犬の飼い主である眞鍋かおりを示している。つまりほんらいなら主役であるはずの眞鍋かをりが脇に追いやられ、結果として「眞鍋かおりの飼っている犬と対話」しているのは誰だ、という連想が働くのである。
 「インターネットと回答させるお題」による回答のアベレージが高いのも、同じ理由だ。「インターネット」はこのモニターを見ている全員が使っている道具である。認識の基盤はある程度予測がつくだろう。たとえばお題が
「家から出ないで買い物するときに使う道具は?」
なら「インターネット」という答えには何のズレもない。同じように
「家から出たくないんだけど暇つぶしに何をする?」
なら「インターネット」という答えには何のズレも生じない。しかし
「家から出ようとしないやしきたかじんが、引きこもりの原因を聞かれて一言」
ならば「インターネット」はある程度有効なズレを生み出すことができる。
 ここでのズレは、やしきたかじんがインターネットをやるかどうかではなく「おそらくインターネットで自分への悪口を見たやしきたかじんが、キャラに合わない行動(引きこもり)をしているのだろう」という想像が働くからだ。しかし、このお題では、読者がやしきたかじんという歌手のキャラクターを知っていることが前提になっている。東京に進出したやしきたかじんが、深夜番組で泥酔していたり、ラジオ番組で暴力をふるったりした時代にメディアに接していたことが必要となる。つまり、ズレる前の常識が共有できないという欠点を、このお題は持っているのだ。そこで常識の共有をするために、そもそもの意味を瓦解させてみよう。
「家から出るとドアに張り紙が、何て書いてある?」



 「インターネット」という言葉が持つ意味や機能から逃れて、語感としてのインターネットや、機能から切り離されたインターネットを配置することによって、私たちはインターネットに対して戦いを挑むことができるのである。インターネット大喜利とは、そのようなものなのではないか。

【問題】
上記の文章を、文章内の語句を使って14文字に要約してください。