絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

△って、△って、そしてついには○○○って……

調査委員会が公式に「イラク911と無関係」と発表し、政府自体が「イラクには大量破壊兵器はなかった」と認めたというのに、それがわかっていないアメリカ人が半分近くもいるのだ。(中略)
国民の4割が福音派キリスト教徒のブッシュ支持者であり、(中略)彼らはブッシュがウソでイラクに攻め込んでアメリカ兵を千人も殺させようと、金持ち減税と戦費で、史上最高の赤字を作ろうと、とにかくゲイ同士の結婚に反対し、中絶を非合法化することに賛成である限り、ブッシュに無条件に投票する。
id:TomoMachi:20041029(改行筆者)

 宗教がどうというのではなく*1、戦争を起こそう、金持ちを優遇しよう、と思っているひとにとってカウントされる国民というのは、こういう方々のことを言うのだな、と思う。
 9.11のときに「テロで死ぬのは都市部の人間だから、田舎に住んでる連中は無責任に騒ぎ立てるんじゃないか、自分たちは死なないから」と書いた。同じことがまた起こっている、調査の結果を信じるなら、そうみたいだ。「投票しない方がいい」とか「知識もないのに政治のことなど考えるな」と言うひとは、どう思っているんだろう。日本だって同じようなものだと思うのだけれど、そう言ったひとたちは答えてくれない。

 だが、もはやむだだった。沈黙のとばりが彼の頭を覆いつつんでしまっている。いま彼はすでに尖兵の一員――征服された人間のひとり、まだ見ぬ星々のあいだで、異形の兄弟だちとむつまじく暮らしていく人間のひとりに、変貌をとげたのだった。
(デーモン・ナイト『異星人ステーション』浅倉久志訳/ジュディス・メリル編『SF THE BEST』収録)

 いつの間にか侵略されるのだ。最初に異を唱えた者が、なぜ「おかしい」と声をあげたのかは、言い争いのなかで見失われてしまう。そして最初の「異」が見失われたまま、声をあげること自体が間違いであるかのように、すべては覆い隠され……

*1:悪魔としての高橋ヨシキ師に倣い、神を信じる人間なんてみんな死ねとは思いますが便宜上そう書きます