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つまらない出来事で、ひとを嫌いになったりするものではないよ。
あれらは金や飯のために、ひとがよろこぶように、憎まれ口を叩いているのだ。
あれらが口汚くののしるのは、その方が自分のとくになると思うからだ。
けして、楽しくて、やっているのではないのだ。
おまえが信じるものや、好ましく思うものをけなされたからといって、おまえが同じように口汚くあれらをののしったら、おまえの好きなものや、信じるものはどう思うのか。
おまえが、おまえの勝手なにくしみや、いかりを口にするたびに、おまえの楽しいきもちが少しずつ削れていくとしたら、おれはなんとすればいいのか。
くだらない連中の、ひとことがおまえを傷つけたとして、おまえは何を気にすることがあるだろう。
あれらは汚い言葉をひとつ口にするたびに、金や飯とひきかえに、誇りを失っているのだ。
けして、さいわいに、つつまれてはいないのだ。
おまえが、大切にとっておいた言葉を使って、ひとびとをたのしませ、あれらを黙らせるのであれば、おれはラッパを吹きながら、おまえの後ろを守ってやろう。
やがて道のまえに、あれらの姿は見えなくなる。
そのときに、笑うのは、おまえとおれなのだ。