『ルールズ・オブ・アトラクション [DVD]』
寝られないから、ビデオを借りた。
以下『ルールズオブアトラクション』感想文
-
-
- -
-
この前飲んだときに、話の流れで「どんな内面を持った女が好きか」と聞かれて、ぼくは「ぼくと同じような女」と答えた。
ぼくは、だらしなくて、わがままで、ぼくと同じくらい本が好きで、ぼくと同じくらい映画が好きで、ぼくと同じくらいかんがえすぎで、すべてに愛されてるとおもいこんでいて、げんじつがそうでないことに気づいてぜつぼうして、なきわめいて、あたりちらす、そういう女が好きだ。
「そんな女いるか」
「あまりいないねえ」
「そういう女が出てきたらどうする」
「好きだと言うよ」
「じゃあ、そうじゃない女がきみを好きだと言ったらどうする」
「ないよそんなこと」
「たとえばだよ」
「接吻をします」
「なにそれ」
「それから考える」
ぼくらは少しづつわかりあい、わかりあえない。ぼくが好きになった女が、ぼくの思うような女かどうか、ぼくのことを好きになった女が、ぼくの思うような女かどうか。
なんども、かくにんして、わかろうとする。
わかりあえるかどうかは、わからないけれども。
-
-
- -
-
ところで『ルールズ〜』の原作者ブレット・イーストン・エリスさんは、映画『アメリカンサイコ』の原作も書いている。この人の小説は、デビュー作の『レスザンゼロ』からずっと、わかりあえないって話ばかりだ。
ぼくが恋愛映画をあまり見ないのは、どこかで「わかりあえるわけがない」って思っているからだろう。運命の恋人は、さいごに結ばれるのでした、なんて馬鹿じゃねえか、って。だから『不滅の恋ベートーベン』は好きだ、がんばったって、伝わらないものは伝わらないよ、でも好きだー、ギャー、というのがいい。もちろん『ファイトクラブ』みたいに「わかんなくてもいいじゃねえか!」っていうのも、それはそれで好んで見るんだけれども。
というわけで『ルールズオブアトラクション』はとても良い映画でしたよ。