絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

この映画どう?企画1

質問:そういえば、スパイダーは観たんだけどクラッシュは観てないんだよね、どうだった?
答え:実はスパイダーを観ていなくて、それはクローネンバーグがエログロを必要としない映画を撮っちゃったんだな、と思ったからだった。映画評論家の故淀川せんせいはクラッシュを評して

趣向を凝らしたセックス・ムードにたんまりと浸りたまえ、てなばか映画。

と書いている。淀川せんせいがおっしゃるとおり、僕は『クラッシュ』でセックスを観た。熱い蒸気の中で傷だらけになって、ダラダラと血を流しながらするセックス。そうだ、セックスってのは痛いものだったんだ。熱くて痛くて死と隣り合わせの無駄な行為、生殖の為ではない純粋なセックス。クローネンバーグの描くセックスは常に痛い、痛くて苦しくて、結果に悲劇しか起こらないのがセックスだ。
 まるで男と女のセックスではないみたいに。

 ぜひとも全文読んでいただきたい淀川せんせいの感想はこちら。産経新聞連載『淀川長治の銀幕旅行』
男同士のセックスや男のあそこに気をとられすぎ。そこが好きなんですが。