絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

 友達がid:TomoMachiに書かれた「文学くだらない」に対して反論していて、それが正鵠を得たという感じで面白かった。ついでに批判していた「パッション」についての話を嫌がるだろうけど引用しちゃう。

まあ、カトリックは宗教団体なので、法王が「真実」だ「リアル」だ、っていうのは宗教的人の発言なわけだから、彼らが「神はいる」っていうのを否定するのと同じくらい、彼らのいう「真実」を否定するのは見当違いな気はしますけど。

「神におうては神を斬り……」というのが町山さんなので(偏見)、権威や体制を批判していけば無神論者的になるのは当然かとも思う(実体のない最高権威だからね)。そこで大切なのが町山さんがくだらないくだらないといい続けているものを、町山さんはどう思っているのか、ということ。
 本当にくだらない役に立たない影響力のないものを、名指しで批判するだろうか。僕はそう思わない、その「くだらないものの」影響力を評価するからこそ批判し、その権威を無効化しようと茶化すんじゃないだろうか。『突撃チンポジウム』と『死者の奢り』が同じかそれ以下だ、と言うのはずいぶん文学の力を信じた行為ではないかと思う。友達に言いたいのは、町山さんは「嘔吐」の名を出すことで「僕は『文学』じゃなくてそれを持ち上げる権威が嫌いなだけですよ」と言っているのではないか、ということだ。敵は同じなのである。

「死体洗いのアルバイト」に関しては同名の本も出している医学都市伝説というサイトが面白く調べていると思うので参照。
 あと「友達」というのは僕が一方的に思っていることなので……違うよ…とか…言わないでほしい……
追記
リファ巡って見つけたhttp://www.a-at.jp/に載っていた村上 隆インタビューがとても興味深い。2月19日に書いたのは、大筋で間違っていなかったということだ。奴はアレで本気なのである。

追記2 コメント欄転載
# うん(その本人) 『でもやっぱその解釈は好意的に見すぎで、素直に読んだらダブルスタンダードにしか読めないので、ダブルスタンダードを都合良く解釈するってのはまさに宗教人の得意とするところで、神を切ったつもりが自分が神的発言を。死者の奢りを貶すのに嘔吐を比較対象に持ってきた時点で、権威をもって権威を批判するという矛盾もあります。彼のダブルスタンダードや詭弁を好意的に解釈するというのが既に宗教的に思えるのですが……。』
# うん(その本人) 『まあ、ああいう書き方もネタだと思うんで、あんまりちゃんと突っ込むのも恥ずかしいので、いいんですけどね。』
# screammachine 『神を斬るの元ネタというか禅問答では「瞑想で見た神は己なので惑わされるな」って言うみたいですね。僕は擁護してるんじゃなくて「神を否定するのは神が怖いからだ」という解釈をしているだけです。僕が初詣をしないのは無神論者がお参りに行ったら神様に失礼!って言う冗談と根は一緒。ネタにマジレスはしていかないといかんと思います。』