絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

はてなダイアラ−映画百選

というわけでkowagariさんからバトンを受けましたよ、はてなダイアラー映画百選。よーしいい度胸だそこ並べ。
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 この映画を初めて見たのは深夜の洋画劇場で、たぶん「戦慄の絆」公開に合わせた放送だった。今ではどうか知らないが、この頃は深夜3時頃からCMなしのノーカット放送なんてものもやっていた。
 僕は毛布をかぶって、音量を小さくしながら、放送を待った。
 もちろんビデオは標準でセットだ。
 物語は、伝統的なSFサスペンスだった。ある陰謀に気づいたハードボイルドな主人公が、事件に巻き込まれながら敵を発見し、謎の博士の助言を受けて武器を手に入れ、敵のスパイだった仲間を殺し、敵のボスを倒したあとで、真の敵を発見する。
 僕はこの映画に没頭した。乳房の映るこの映画は、家人が寝てからでなくては見れなかったが、その興奮は乳房によるものじゃなかった。それが何かはわからないまま、できたばかりのビデオレンタル屋で「スキャナーズ」「デッドゾーン」「シーバース」「戦慄の絆」を借りて、何度も見た。キングにははまらなかったが「裸のランチ」のせいでバロウズせんせいにハマって、ひどい目に遭った。

 世界に感じる疎外や絶望がそこにはあって、疎外や絶望は、化け物や、異常な出来事になって、主人公を襲う。主人公たちはそれにあらがいながら、死んだり、呑み込まれたりした。

 映画に限らず、芸術なんてものは、クソの役にもたたない。「誰がパンを作るのか」という命題には頭を垂れるしか正解はない。
 だけど、命を削って生きてる人間の代わりに戦って死んでくれるのは、映画だけだ。泣きたくなるような現実に向かって「おれは作家だ」と言いながら存在証明をしてくれるのは、映画だけだ。
 だから僕は映画が好きで、クローネンバーグが好きだ。

参照:SF映画データバンク(便利)
http://www.generalworks.com/databank/movie/

次は映画といえばこの人、id:loomerさんにバトン渡します。
頼んで良かった逆リンク:http://d.hatena.ne.jp/loomer/20040213#1076602323