絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

ほとんどの人間が自分を救うことしか頭になかったのに対し、自己保存のために生ずる本能的恐怖心に打ち勝って、できるかぎり他人を救おうとしてとどまった男たちが、女たちが、子どもたちがいた。(シオドア・L・トーマス「群体」より)

 パニック映画だと「我先に」と逃げ出すおっさんが最初の被害者になったりはしますが、結局最後にはヒーローが自己犠牲で世界を救ってしまいます。現実には、他人を守ることのできる人から死んでいく状況というのがあるわけです。状況が過ぎ去った後に生き残るのが、本能的恐怖に打ち勝てず自らを守った人間であるのは、物語であれば泣いて終わりですが、現実には年を経てアメリカの国防長官になったりするので注意が必要です。